アイツと、読書と、音楽と

ひと知れず されど誇らかに書け

「エビバデ」そして「ベイベ」について考えた

世間様にとっては大したお話ではない。
少々話題になっているファンの中での内々の呼び名についてのことを書こうと思う。

岡村ファンは世間から「ベイベ」と呼ばれている。
私がファンになった大昔は、この呼び名はまだ存在していなかった。
ちなみに岡村も「岡村ちゃん」などという親しい呼び方はされていなかった。
なにせ彼は「孤高の天才」だったから。
岡村、もしくは靖幸と呼び捨てにされていたことが多かったと思う。
よって、まず雑誌で岡村に「ちゃん」がついた、いかにも業界的な呼び方を見た時には、なんと馴れ馴れしいことよ…あの岡村に対して…とビクついていたら、これが世間にも思いがけず浸透してしまい、驚いたままで現在に至る。
今や完全定着。「岡村ちゃんこと岡村靖幸」という説明のされ方をしているのをよく見かける。
私もTPO(なんだ、TPOって)によって「岡村ちゃん」「ベイベ」の言葉を使うが、自分のことを「ベイベ」だとは全然思っていない。唯一、生まれ故郷で叫ばれる「仙台ベイベー」という言葉には抗いがたい感情は生まれるが。

どうやらそれに似た感情が「エビバデ」にも存在する。
エレカシファンに対する呼称の「エビバデ」は、もちろんボーカルの宮本さんの「エヴリバディー!」という、自分の声の届く範囲全て(っていうか、きっと全世界)の人に対する呼びかけからきている。常日頃の呼びかけのそれが、SNSあるあるの文字数制限からの短縮により「エビバデ」に定着し、いつの間にかそれがファンの呼称となったという説をお見かけした。きっとそうなのでしょう。

去年の荒吐で、TOSHI-LOWが「エビバデのみなさん」という言葉を使った際、これはギョーカイへの浸透率、意外に高いのね、と思ったものだが、その呼称を受け入れるか、はたまた自称するかは完全に自分次第。

岡村の「ベイベ」もエレカシの「エビバデ」もライブ会場に足を運んでくれた全ての人にむけての言葉であって、「自分のファン」に限定したものではない。
しかし、それを「私に、この私だけに向けて言ってくれた!」と思うのが高揚感あふれているライブの際の最たる妄想=ファン心理というもの。
そして、自分をその呼称=記号の枠に入れることによる安心感、連帯感を感じたいということも出てくるのであろう。

用心すべきは呼称が固定され広まることにより、それがそのアーティストのファン全員を簡単に示す「一般的な」言葉となり、良くも悪くも一括して世間は見るということ。
ファンの節度が問われやすくなるとも言える。何事も気をつけるに越したことなし。

私に関して言えば、これからもご本人から直接「あなたはベイベ確定です」「きみは今日からエビバデだ」と言われない限り(明らかに可能性0%)これらの呼称はなるべく使わない。

 

百年に一人の大天才、講談師の神田松之丞のラジオで、こんな話が出た。
あるラーメン屋に入ると、そこは明らかに矢沢永吉ファンの店。
いたるところに永ちゃんグッズがある。
そこで松之丞さんは店長に「矢沢さんのライブにはよく行かれるんですか?」と聞いた。
その店長の答えが「いや、自分。まだまだ矢沢さんのライブには行けないっす」

 

これだわ…。
わかりみが強すぎて苦しい。

 

私も自分の年齢や推しの年齢を慮ると、もう行けるときには生で観ておかなくちゃ!という
欲丸出しの状態でお恥ずかしい限りだが、呼称に関しては店長の言うところの「自分、まだまだっす」の気持ちでいっぱいだ。
「自分、まだまだベイベでもエビバデでもないっす」というのが今日の結論。岡村に至っては、ファン歴30年超えてるっていうのに(笑)。まあ、今わの際に「ベイベかつエビバデであった人生よ」とでも思えれば御の字だろう。

そして実は「ファン=ファナティック」という言葉の方が、この推し達に対しての今の自分の立ち位置に近いと認識している。


え?

それは余計やばい人なんじゃないかな🤔

「オハラ☆ブレイク'19夏」

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宮本浩次ひとり会(仮称)には、起承転結のすべてが詰まっていた。

起承転結それぞれの線をどこでひくのかは全くわからない。わからないけれど、間違いなくその要素は全部あった。

最終的に、観ている側が受け取ったものは巨大だった。

大きな重たい玉手箱をもらって帰ってきて、その封はまだ開けていない。いつ開けようかなとタイミングをはかっているところだ。もしかして、ずっと開けないで大事にしまい続けるかも。

 

オハラ☆ブレイクは、数あるフェスの中で、一番行ってみたいものだった。

一昨年のオハラでの宮本ひとり会の断片をテレビで観て、「これは絶対見逃したらダメなやつ!」と、その機会を虎視眈々と狙っていた。

2019年8月、その日は案外早くやってきた。

 

猪苗代湖は数日前から雨の予報。

七夕野音で大活躍したポンチョやらなにやらをリュックに詰め、単身猪苗代へ。

初めてのオハラ、長い一日の始まりだ。

 

お天気はいい感じの曇り空。何より猪苗代湖周辺が松林のため、日陰がいたるところにあり、また日よけの大きなテントもはられているため、直射日光を避けることができて過ごしやすい。

現地で、私のエレカシ好きに拍車をかけてくれた大先輩と、全国どこのライブも彼女に聞けばなんでもわかるという百戦錬磨の友人に会い、これでもう大船に乗ったも同然。

 

オハラ最終日、私の予定は、田島さん→ブラフ団→元春先生→宮本さん。

田島さんに間に合うようにと思って来たら、当の田島さんがまさかの大渋滞に巻き込まれ間に合わず。

内田勘太郎さんも体調を崩しご欠席。

その代わりと言ってはなんだが、ブラフ団のステージに、完全にプライベートで来ていた菅田将暉が登場。

しかも一曲歌うというサプライズ。

まったりと椅子に座って聴いていた人たちは立ち上がり、おのおのステージ周辺に散らばってのんびりしていた人たちもわらわらと集合。菅田将暉の歌声は野外によく似合っていた。

 

佐野元春先生は、きっちりかっちりバンド編成でご登場。

私は軽く数枚のアルバムを聴いていた浅瀬でパシャパシャやっている程度の人間なので、アレンジされていると、どの曲かピンとくるまで時間がかかる。人はそれを老化と呼ぶらしい。

ということで、数分後に「あー!あれか!」を繰り返しながら聴いていた。

明らかにここは日本じゃないんじゃないの?という風を吹かせまくっての最高にオトナな1時間。

何がかっこいいって、曲のラスト、ジャーンジャン的な部分(表現力の欠如)を片手をほんのちょっと、角度として10度程度動かして指示するところ。私の周りの人、みんな真似していた。

 


ちなみにオハラのメインステージは、かなり高めに出来ているので、どこからでも見やすい。がっついて見に行かずとも十分見えるのがありがたい。

ということで、元春先生ステージから早くも前方に押し気味となっていた場所から早々に離脱して休息をとりつつ、その時を待つ。時は夕暮れ。なんとなく涼しい風も吹いてきた。

 

さて、(私の)メイン、宮本登場。

まず、そのいでたちに驚かされる。

まずはインスタを見てほしい。

https://www.instagram.com/p/B1Y1AZXDeuK/

貴重な仙台駅でのお姿のようですが、果たしてこの大将を仙台駅でお見かけしたとして、静観以外の選択肢はないと結論しました。#repost @miyamoto_sampochu via @PhotoAroundApp #宮本浩次 #宮本散歩中


このまるで「熱烈な宮本ファンを絵に描いたような姿=本人」から荷物を差し引き、上の服を「宮本夏の散歩T」に着替えさせ、ギターを持たせた姿が、当日のいでたちだ。そう、ハットはかぶったまま、パンツは白。

(ちなみにハットは途中脱ぎ、最後の方でまたかぶり直していた。きっと意味があるのだろう。わからんけど)

ざわざわざわざわ…。

 

一曲目は「俺たちの明日」。アコギでジャン。首をひねる。エレキでジャン。また首をひねる。再びアコギでジャン。さぁ頑張ろうぜー。

今まで生では見たことのない緊張感と神経の張りつめた感じ。ひとり会、この時点で猛烈だ。

モニターを気にしてか、険しい顔で手を左右に振ること数回。エコーもいらないんじゃないの?とピリピリとした感じで指示。

「今日は新曲をやるんで緊張しています」宣言の後、「まずはCMの曲にもなった、月桂冠の、going my wayを。going my wayは難しいぞー。」

もちろん合いの手の手拍子つき「Hi! Hi! Hi!」はセルフ。早速の盛り上がり。ライブ映えする。

 

次の解き放ては、「解き放つのは難しいぞー」と自前のMacをポチっと。これを押せば、的な感じで言ってから一回止めて再度ポチ。

とにかく基本歌がうまい方なので、歌いだしてしまえばこっちのもの的な盛り上がり。

新曲2曲連続、無事に終了。なんとなくこちらもホッと胸をなでおろす。

 

宮本「もっと知っている曲の方がいいですか?こんな感じでいいですか?」

 

宮本「とにかく53歳なので変な動きをすると、肺が…」

エビバデ「肺が?(ドキドキ)」

宮本「スッキリしました(笑顔)」

エビバデ「は?」

 

という謎の申告を受け、次の曲へ。

おなじみ「翳りゆく部屋」。

モニターを気にし、カメラを気にし、「(自分の)ギターが下手すぎる」と途中から完全にやりなおし、そのサビ部分で一緒に歌ってしまっていたお客さんにむかって「あんたの歌を聴きにきているんじゃないんだよ!」と注意。また最初の緊張感いっぱいの状況に。

 

しかしここからの持ち直しっぷりが凄かった。

やはりキーとなったのは「冬の花」。

石巻も凄まじかったが、オハラの冬の花はすこぶる狂気の大輪だった。

ギター一本であんなにも曲に表情が出るとは。恥ずかしながら涙が止まらなかった。

そしてまたもここでたたみかけるが如き「昇る太陽」。この連続技には完敗だ。圧巻。

 

記憶があいまいなのだが、おそらくここで

「すみませんでした!」という謝罪が始まったかと思う。

「(翳りゆく部屋で)ギターが上手く弾けなくて、人に八つ当たりをしてしまう悪い癖があるんですよね。(一緒に歌ってしまっていた人にむかって)すみませんでした。今度一緒に練習しよう(?)」

この辺になると、私自身の夏の疲れが異常な聞き取り違いをおこしていそうで不安なのだが、そんなようなことおっしゃった上で、完全に横を向いて翳りゆく部屋のギター練習が始まって、最後まで歌い切った気がする。(ちょっと時系列も歪んできた気がする。)

あぁ、きっと怒ってしまってから、歌っている間中、ずっと気にしていたのね。

 

なんかいい感じにいろいろ一段落したころに、実は本日一番私がヤラレた曲が登場。

高橋一生さんへの提供曲の「君に会いたい-Dance with you-」。

高橋一生氏を竹を割ったような性格と褒めたたえた後、しっかりイントロの「はぁー あああああ」から歌いだし。もうこの声だけで気絶するかと思った。

高橋一生CDを購入し、インスト(宮本コーラス入り)を聴きまくっていた私だが、こんなに早く本人がカバーしたものを聴けるとは思っていなかったので、もうドキドキ。

そのドキドキが倍速の早打ちになるほど、どえらい色気ムンムン(昭和)で歌われたもんだから、たまらない。

いや、コーラス時点で予想はしていたが、あれだな、人に作ったという「てい」だと、ここまで解放されて歌えるんだな。潜在能力の新たなる開花と言っても過言ではない。

今後ともバンバンこういう曲を人様に作ってください。そしてガンガンセルフカバーして下さい。お願いします。

 

オトナの魅力をも出し尽くしたあと、なんと最新曲、まだ発売してもいない「Do you remember?」をKen Yokoyamaのギターもなしに歌うという大サービス&大冒険。

これがまたかっこいい。1番だけだったけれど、これまた生育の良さそうな歌。映画館でぜひ聞きたい。

 

ソロ名義での持ち歌、大放出し尽くし(そりゃピリピリもするわ、とこの時点で合点がいく)ご本人も聞いていたこちら側も、何か同じミッションを一緒に果たしたかのような連帯感ののちの、エレカシ曲「笑顔の未来へ」「今宵の月のように」「悲しみの果て」の、良かったこと。

もう遮るものなど私たちの間にはない!安心感10割(完全に私感)くらいの感じ。

もちろん手拍子、ポケットに手を、でギターはぶらーん。口ドラムまで飛び出す全力っぷり。

ギターの音が途切れるたび、猪苗代湖に宮本さんの声が響き渡り、酒も入っていないのにオハラ☆ブレイクありがとー!と叫びそうになる俺。なんなら音叉ひとつで全部アカペラでもいけるんじゃなかろうか、と思ってしまう歌唱力。

 

そうそう、「小林武史さんに、宮本くんはギターが下手だからと言われまして。冬の花の時も、小林さんに自分のギター一曲分送って、実際の曲を聴いたら、一つも自分のギターが入ってませんでした。」という、ものすごい話をサラリとしていたな。

 

「また良い曲作って、オハラブレイクで披露します!だからみなさんも健康に留意して、また会おう!」

ラストは、舞台からはけることなしに「誰も何も言ってないけどアンコールやります!」と「風に吹かれて」。もちろんお手振りありで、ギターも揺れる。

最後は力強く「お尻出してブー!今度夢に出るぜ!」という謎の小学生のような捨て台詞を残して去っていった。豆台風か。

 

結果、心の底から来てよかったー!

宮本浩次が与えてくれる満足感って、いったいなんなんだろう。

この夏は冬の花に始まり、冬の花に終わりました。

 

オハラブレイク開催前日の突風に全てが飛ばされる映像をご覧になった方も多いと思います。二日間の開催、並大抵のことではなかったと思います。最高の夏の思い出をありがとうございました。

風景、食事、出演者、全てが優しくあたたかい。噂に違わぬ素晴らしいフェス。いっぺんで好きになりました。

 

「オハラ☆ブレイク'19夏」宮本浩次ソロ

俺たちの明日

going my way

解き放て、我らが新時代

翳りゆく部屋

冬の花

昇る太陽

君に会いたい-Dance with you-

Do you remember?

笑顔の未来へ

今宵の月のように

悲しみの果て

風に吹かれて

 

REBORN ART FESTIVAL 2019 「転がる、詩」

Reborn-Art Festival 2019

この日の石巻は暑かった。

宮城もご多分に漏れず、酷暑をむかえていた。

 

石巻までは仙石線を使った。

一人で電車に乗って石巻に行くのは初めてだ。

東日本大震災の前の年、家族で石巻に遊びに行った。

そして震災の年のGW、妹夫婦に車に乗せてもらい再び石巻に行った。

私が知っていた石巻は、そこにはなかった。

×印のついた、不自然に二重三重に重なりあう車。

見上げるほどの場所にはっきりと記された水の跡。

そして方向を変えると、そこは見渡す限りの無。

 

Reborn Art Fesのオープニングセレモニーとしてのライブに宮本浩次が出ると聞き、日程がお盆休みの一週間前というスケジュールを見て悩みに悩んだ。

しかしチケットが取れた時点で、もう一度、今度は自分一人で石巻に行ってみよう、そう思った。

 

仙石線は座れないほど混雑していた。

ミスチルのなんらかに身を包んだ人の多いこと。さすがだし、そりゃそうだ。

しかも話す言葉の感じから、遠方から来ている人が多いようだ。

エレカシの祝祭象Tシャツに包まれた私は、緊張しながら電車に揺られた。

電車から見る風景は穏やかな顔をしている。新しく建てられた家々、静かな海。

しかしそこに別の世界があったことも知っている。

 

石巻の駅は、石ノ森章太郎が産み出した子供たちであふれていた。

駅前も整備され、賑わいを感じた。道の途中途中にあらわれる009たちに見守られながら、急な坂をのぼった。

石巻総合体育館という場所は、これは宮城県の沿岸部の大きな施設の多くがそれにあてはまるのだが、震災の時の遺体安置所となった場所だ。

だから、この場所でのイベントには、ひとつ意味が加わる。それはこの場所を知った上で参加する人にとっての意味。この坂をあの3月にのぼった人たちのことを考えるということ。

 

会場周辺には、暑い中多くの人たちが道案内、会場案内として立っていた。

誰もが非常に親切であり、丁寧な対応の人ばかりだった。

会場内は、本当にいわゆる普通の体育館なので、ありったけの大型扇風機をフル稼働して対応をしている。扇風機から送られてくる風も熱い。自然と会場中の人がパタパタとうちわや扇子であおぐ。その姿が、2階から見るとまるで光るさざなみのよう。

とても不思議な光景だった。

大事なことなので、先に書いておくと、正直本当に普通の体育館なので、音に対してはあまり期待をしていなかった。しかし結果的に、これほど良い音を聴かせてくれるために、どれだけの人のご尽力があったのか想像して胸がぎゅーっとなるほど素晴らしい音を聴かせてもらえた。

 

小林武史氏のあいさつの際、今日のイベントになくてはならないお二人を、と言った瞬間、会場が盛り上がった。その盛り上がり具合に慌てた小林氏。なぜなら登場したのは石巻市長と宮城県知事だったから。フェスのTシャツを着てのあいさつとなった。小林氏のこうした活動というのは、県にとっても市にとっても、とても重要性の高いものだということがわかる。

 

今日のオープニングライブには「転がる、詩」というタイトルがつけられている。

歌詞がバックに映し出されながらその前で歌手が歌う。まさに歌詞が主役のライブ。

(最後に明かされたのは、アーティスティックに映し出されていた歌詞とバックの映像は、リアルタイムで作られたものだったということ。まさに、これも作品の一つだった。)

 

本日の出演者

櫻井和寿/ 宮本浩次/ Salyu/ 青葉市子

keyboards:小林武史/ guitar:名越由貴夫/ bass:TOKIE

drums:椎野恭一/ cello:四家卯大/ violin:沖祥子

 

さて、今回も先に述べておくが、贔屓にしている宮本浩次中心に感想を書いておきたい。

 

私がここに来ることを決めたもう一つの大きな理由は、小林武史宮本浩次が同じステージに立つということ。間違いなくあの曲をやるはずだ、と。多少の無理をしてでも、これは行かねばならない、と。

 

青葉市子、Salyuの順で、ステージは進んでいった。

二人とも生で聴くのは初めて。確かにそれぞれがアートフェスにふさわしい歌姫。

初聴きの歌も、歌詞を見ながらなので馴染みやすい。暑さでぼーっとすることすら許してくれる歌声(勝手な解釈)に包まれ、心はすっかりリラックス。

 

「この人は熱い。いや熱いって暑いじゃないけど、なおさら暑くなる。」的な紹介(?)ですでに会場全員、次に誰が出てくるか、察し。

「孤独な旅人」のイントロが流れた瞬間から、全員が一気に立ち上がり、手拍子が始まる。

仙石線で感じたアウェイ感がゼロになった瞬間。出てくればみんなが喜ぶ、そういう不思議な力を持った人だ、宮本浩次は。

この曲は通常サビの部分のみ手拍子がおこる。しかしこの日は丸々一曲手拍子が鳴りやまず。

そんな会場の熱烈歓迎の空気をもちろん宮本さんも感じたのであろう。喜びがサービス精神と優しさに転化した瞬間を見た。

「曲の途中でもいいから、具合が悪くなった人は、広い場所に出て涼しくして!涼しくならないかもしれないけど」的なお心遣いの言葉あり。

歌詞が縦書きであったことも記しておこう。

「風に吹かれて」のサビのお手振りもみずから率先して、大きく大きく振っていた。

 

アルバムの『ライフ』から、何かやるかな、いや絶対やるでしょと楽しみにしていたら、一番聴きたかった「普通の日々」で涙腺決壊。

もちろん曲の前に、ニューヨークへ行ったこと、911の話などが出て「すみません、その頃石巻のいの字も浮かびませんでした」とあまりにも正直すぎる宮本の言葉に、会場の温度がまた1度上がる。

(何か言うたびに1度ずつ上がる現象をおれは何にたとえよう)

私にとって、初、生の普通の日々。CDで聴いていただけで泣けてしょうがなかったものを生で聴く幸せよ。

そしてしっとりと「翳りゆく部屋」へ。

 

さあ、そしてついにその瞬間が!待ってたよー、小林武史の伴奏で、「冬の花」。

いったい全体どういう理由でソロ曲第一弾がこれじゃないのか、その理由を偉い人に詰め寄って聞きたいほどに、私はこの曲を推している。推しまくっている私が、大袈裟ではなくもう何十回、何百回聴き続けている私が、生で聴いて、想像の斜め上すぎて、その角度に背骨が折れそうになった。

エモっ!そして超ロック!

ここまで大輪の鮮やかな花であったか、冬の花は。

曲の始まりで会場がざわめき、1番の終わりでまず拍手がおきる。すごい反応だった。

映し出される歌詞の出具合も強烈だったけれど、そのくらいしないとバランスがとれないほどの宮本の歌の力。

「胸には涙、顔には笑顔で、今日も私たちは出かける」

そう。出かけるのは「私」ではなく「私たち」。宮本さんの優しさを強く感じた。

 

冬の花の次に「昇る太陽」を歌ったのには度肝をぬかれた。

激烈なる冬の花の次に、あの、ライブで歌うことを想定して作っていないと本人が断言した、信じられないキーの高さの、あの曲を!

これがまた、凄まじくよかった。「音楽の日」での歌唱を見て、今から育つんだ、この曲は、となんとなく自分の背中をたたきながら、よしよしと言い聞かせていたことが実は現実となったというか、想像より早めに立派に育っていた。産後の肥立ちがよい曲だ。

めっちゃ昇ってたな、太陽。実にかっこよかった。非常にライブ映えする曲だ。

 

新しいソロ曲も無事に歌い終わり、非常にいいムードで「あなたのやさしさを…」。

ステージっていっても体育館のそれなので、やんちゃ盛りの53歳、まあ簡単に降りられるわけだ。

降りたねー、彼は。左へ右へ歩きながら歌ったねー。とても素敵なあたたかい光景だった。

 

「今宵の月のように」そして「悲しみの果て」。

これはいわゆる普通の音楽フェスではない。

何を歌うかということを、とことん考えてのセットリストだったと思う。今思い返しても、この日この場において、最高のセトリ。

人生は旅。

 

ソロでエレカシの歌を歌うことについて、いろいろな意見もあるらしいがこの日のラスト2曲を実際目で、耳で感じたら、もしかして新たな思いが浮かんでくるかもしれない。

特に悲しみの果てのラスト、「素晴らしい日々を送っていこうぜ」と告げるための、その言葉を伝えるためのラストのフレーズの繰り返しのアレンジ、その歌詞の力には鳥肌が立った。もう何度も生で聴いている曲にも関わらず。

 

最後のミスチル櫻井さんに関しては、私は完全なる門外漢なので、「実に良かった!」ということだけお伝えしたい。

さいたまスーパーアリーナのドドドーン以来の生櫻井さん。

作り上げるステージの世界観はさすが。MCもその世界を微塵も壊すことがなく、人を惹きつけるものがあるなぁと感心して拝見させていただいた。

 

ということで、このライブは10月にWOWOWで放映決定らしいので、ご覧になれる方はぜひ。予告の無料放送の約1分の映像、あの日の冬の花の凄まじさがもうあんなに滲み出ているのだから。

 

そして、石巻にもぜひ足を運んでみて下さい。まずは石ノ森萬画館からでも。

石ノ森萬画館

我がふるさと、宮城県で、こんなにも素晴らしいライブを観ることができて嬉しかった。

 

REBORN ART FESTIVAL 2019

「転がる、詩」宮本浩次ソロ セットリスト

孤独な旅人

風に吹かれて

普通の日々

翳りゆく部屋

冬の花

昇る太陽

あなたのやさしさを何にたとえよう

今宵の月のように

悲しみの果て

忌野清志郎ロックンロールショーファイナル

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え?今頃?と思いながらも、先日放送されたものを観て、自分なりに書いておかなきゃと思った次第。

 

ファイナルという文字が悲しくもあり、それにも増してお疲れさまでしたという気持ちが強くもあり。
2019年5月4日。雨の予報だった。
実際野音の周辺では雨が降ったらしい。
天国在住の皆様方は、今日は晴れの野音を見物をしたいと思ってくれたのだろう。
あらかじめ書いておくが、私は宮本を贔屓としているので、宮本に関する記述のみ詳細となる。

昨年の荒吐以来の再会となるヒトハタウサギ、そして清志郎の愛車が置かれたステージの上は実ににぎやかなものだった。これから始まるステージの豪華さを予感させる機材の数々。
大勢のスタッフ、大勢の立ち見、満員御礼の野音には思い思いのTシャツを着こんださまざまな年齢層の人たちが集まっている。さながら同窓会のような雰囲気。

オープニング映像はおなじみの、清志郎が自転車で野音へやってくる姿。
そしてトップバッターはド派手な三者三様のストーンズスーツに身を包んだ竹中、小暮、高木完
豪華な「ぼくの好きな先生」。
そう、この日はすべてにおいて贅沢なセットリスト。基本的に一組一曲。
だからこそ、誰がいつ何を歌うのか、客席のBPMが常に高い状態のライブだった。

あ、ギターのチューニングを直しにきた人?と思うくらいに曾我部恵一はいつの間にか静かにステージに立った。まったく曾我部と気づかせないほど。しかし甲州街道を歌い始めると、5月なのに秋の風を吹かせにきた。
後半、空をしばらく見つめた瞬間があった。彼の眼には、きっと私たちに見えない誰かの姿が見えたのだろう。

フライングキッズ浜ちゃんと高野寛は二人で「わかってもらえるさ」
清志郎はどんな曲でも難なく歌うので、こうして冷静にじっくり聞くと、難曲っぷりに驚かされることが多々ある。

「みなさんが今考えていること、それはなぜ私がここに立っているか」
といって会場を一気に沸かせた清水みっちゃん。しかしほんとに沸かせたのは「帰れない二人」を最初は陽水、後半は清志郎と歌い分けた時。その時にはもう、誰も「なぜ?」などと思う人はいなかったと思う。彼女の清志郎の真似から感じるリスペクト、これはぜひ生で感じてほしい。
私は矢野顕子と二人で「ひとつだけ」を歌った渾身のみっちゃんを観たことがある。絶品だった。
舞台袖、客席から丸見えの場所で矢野顕子が楽しそうにずーっと見ていたことも記しておく。

真心の「よごれた顔でこんにちは」も難曲。
それを歌いなれた顔をして二人は歌っていた。その表情がとてもよかった。

ロックンロールショー、ある意味前半部分の一番の驚きは、のんと矢野顕子のステージだった。何が驚きかって、矢野顕子が完全にのんのサポートに徹したこと。
この日、数組だけが清志郎が作っていない歌を歌った。そのうちの一組がこの「わたしはベイベー」。
のんの持ち歌であり、矢野顕子提供曲。そして清志郎が歌詞に出てくる。
非常にのんちゃん自身と重なる楽曲であり、矢野顕子のサポートが効きまくったステージだった。

 

さて、ここからタイマーズ編。
懐かしのスタイルに身を包んだ男たち。そこに最初にお声がかかったのは宮城の星、クドカン
このあたりから、あぁ、カメラは入っているけれど、こっからは放送されませんよね、という共通認識が全体に生まれた。クドカンというより暴動。実は2曲歌ってます。
そしてこの曲にこの人選、グッジョブと思った「原発賛成音頭」怒髪天の増子の兄貴。改めてタイマーズはまるっと放送カットということが兄貴の口から発表。
(地上波では完全カットだったものの、フジテレビNEXTでは最初から最後までしっかり放送された。)
Leyona(きっちりタイマーズスタイル)のデイドリームビリーバーからの、「音楽に政治を持ち込むな!」という言葉から始まったTOSHI-LOWのあこがれの北朝鮮、そのあと語った言葉がよかった。
そうさ、「それならお前が歌え!」ごもっとも!有言実行の男TOSHI-LOW、裸に半纏、さらしなしのすごいやつ。

さて、(俺が)お待ちかねのRC編はじまりはじまり。RCサクセションが聞こえる♪
今回のロックンロールショー、このCHABOが凄かった。清志郎がいなくなってからのCHABOを追いかけている私だが、この日のCHABOにはいつも以上に驚かされた。CHABOが出てきた瞬間から、一気に空気が変わった。
一組一組、非常に丁寧な心のこもった呼び込みが沁みまくる。
安定のCHABO BAND、何があってもどーんと来いの布陣だ。
よオ-こそで客席の温度を一気に上げ、CHABOさんが大事に大事に歌う「お墓」へ。この選曲は実にCHABOさんらしい。
じんわりしたところで、RC編のトップバッター、ギター持たなきゃ戸越銀座の不良少年(笑)「一番古い友達かもしれない」Char。
だってさ、これはロックンロールショー!ロックショー♪
CHABOとCharの並び、ほんと日本の宝。
最後にギターをポーンとスタッフに投げるところまでが、Char。

次の呼び出しの前に、CHABOが「清志郎、そろそろ戻ってこいよ」と自然な口調で言ったところで完全に会場全体がホロり。
ド派手に登場したのは、清志郎のガールフレンドの一人、夏木マリ姉さん!
わかってらっしゃる。この会での自分の役割をよーくわかっていらっしゃる!
こうでなくちゃ、の見本のようなお衣装にステージ。
客席と自分を自撮りして、撮ったスマホをスタッフにポイと投げ渡すところまでかっこいい。
日本の有名なロックンロール「上を向いて歩こう」を清志郎バージョンとして、忠実に。

来てくれないと思っていたけど、快諾してくれた。ぜひこの曲を歌ってほしかったとの紹介。なんとこの曲を!「いい事ばかりはありゃしない」のハリー。武州三多摩
日本の宝、その2。ハリーの最後の笑みにグッとくる。また一緒にやろう、とCHABOさん。
この曲では片山さんのテナーサックスを梅津さんが…。泣いたわ。

さて、私はCHABOのファンであり、エレカシの、宮本のファンでもある。
待ちに待ったその時、CHABOはこう言った、
「RC、スライダーズは東京、武州三多摩。彼らは東京、赤羽だ。(客席、わーーーーっ)
どんなにバンドが大きくなっても、赤羽のにおいが消えない、そんなバンドが俺は好きなんだ。紹介するぜ。よく来てくれた。忙しいのによく来てくれた。エビバデ、エビバデ。エレファントカシマシ(ここのイントネーション、重要)から、宮本浩次
この言葉だけで今日来た甲斐があったってもんだ。
「こんにちはーーー!」と大きく手を振り上げながら、さっそくマイクスタンドを倒す宮本は
CHABOの前ではいつも以上に少年になる。
曲は昨年の荒吐再び「君が僕を知ってる」。
イントロが流れる。宮本下を向きながら頭を抱え込む。
CHABOはイントロを弾く手を止めることなく静かに宮本に歩み寄る。Dr.kyOnが微笑む。
宮本がそばに歩み寄ったCHABOに「よろしくお願いします」と言う。
CHABOがバンドメンバーにOKのサインを出す。梅津さん微笑む。
この4行分を、私は何度も何度も繰り返し観た。大好きなシーンだ。
生で観た当日は、ちょっと大丈夫かな?と心配したが、テレビの映像で見返すと、実に宮本らしい緊張感のある良いシーンであった。
この姿があったからこそ「今までしてきた 悪い事だけで」という歌いだしを聴いた会場はどよめいたのだと思う。まっすぐないい声だった。終始丁寧な歌い方だった。荒吐ですっぽ抜けた「コーヒーを僕に」のくだり、今回は忘れなかった。
しかし別な部分での盛大な歌詞間違えの後、「離れ離れになんかなれないさ」で目が泳ぎ、そのあとのCHABOのギターソロの時、後ろにまわりこんでの苦悶の表情、七転八倒の姿をCHABOは実に優しく微笑んで見ていたし、カメラもしっかりととらえていた。
押さえる股間の映像が、股間中心で大写しになったのは笑ったが、この一曲に込めた宮本の熱は十二分に伝わった。マイクスタンドを3度も倒すほどの動き、天国在住のみなさんの酒がすすんだこと間違いない。
宮本がはけていく際、CHABOさんが頭を2度ポンポンと叩いた。LOVE&PEACE

嵐が過ぎ去り、佐藤タイジの突き抜けるスローバラードがまた一気に空気を変えた。
スローバラードは、声のでかい男に似合う。ど名曲をどストレートに歌っていた。
何度聴いても凄まじくいい曲だ。
ただ一人、リハをやっておらず生意気だった(笑)せっちゃんのドカドカうるさいは、まるで持ち歌のようにハマりきっていた。
「CHABOがよろしくしてるぜ」と歌詞を変え、そこですかさずCHABOは「梅津ーっ」と指差す。
素敵よ。こういうくだりは永遠に続いていってほしい。

ラストは三宅さんオーガナイズの清志郎ソロ編。
いきなりの鮎川誠で「ROCK ME BABY」。おいおい、レジェンドだらけじゃないか、とまたもや震え。
ここまでくると、感覚がだんだんおかしくなってくる。夢か現実か?
山崎まさよしの「愛と平和」などは完全に夢心地。
それを逆に凄すぎて現実にぐーーーっと引き戻してくれたのは、金子マリの「恩赦」。
素晴らしかった。個人的には令和一発目のライブであったし、聴きたい曲№1。それを金子マリが!下北のジャニスをついに生で聴くことができて大満足。
そしてBEGINの「雑踏」。実はBEGINと清志郎というのが、自分の中では一番結びついていなかったのだが、謝る。ごめんなさい。ものすごくよかった。
三宅さんの「ボスのSOUL」は、この日一番の切なさだった。
毎日がブランニューデイで、ソロ編も終了。

「JUMP」で遠藤ミチロウコスプレのTOSHI-LOW(全力でこれは褒めたい)なども登場し、賑々しく締めくくられようとしたその時、呼ばれて飛び出たのは、革ジャンでキメキメのアイツ、そうキムタクだ。令和ってすごいっすね。木村拓哉が歌ってるよ。
後日息子と一緒にこのライブの地上波を観たのだが、やっぱりキムタク、かっけーなーと息子がしみじみ言っていた。この日のキムタクは、実に楽しそうだった。だからオールオッケーだと思う。

出演者のほとんどがステージに再登場しての雨上がり。
宮本のマイクにはハリーと鮎川誠という、現実とは全く思えない絵面。
なにせここまで3時間なので、こちらの感覚も相当やられているわけで。
RCサクセションで踊ってろ!と若かりし頃毒づいた彼が、今日はなんだか照れたように、恐縮しながら歌っている、しかもキムタクと同じ舞台で。人生って不思議なものですね。

オーラスのアンコール、登場したのはCHABO、三宅さん、そして梅津さん。
なんと二人のギターで梅津さんが歌う「多摩蘭坂」。
こんなに美しく切なく愛情がこもった「多摩蘭坂」は反則だ。
この演奏、この歌唱を忘れることは一生ないだろう。清志郎ロックンロールショーファイナルにこれほどふさわしいものはないと思った。
CHABOが清志郎の家族に向かっていった、お父さん凄いなぁ、という言葉。
CHABOにしか言えないあったかい、とてもあったかい言葉だと思った。「俺たちの清志郎」を家族へそっとかえしたような、そんな優しさかな。

最高のロックンロールショーをありがとう。

 

<セットリスト>
オープニング映像:忌野清志郎野音にやって来る!
M01 僕の好きな先生/竹中直人+木暮晋也&高木完
M02 甲州街道はもう秋なのさ/曽我部恵一
M03 わかってもらえるさ /浜崎貴司FLYING KIDS)×高野寛
M04 帰れない二人/清水ミチコ
M05 よごれた顔でこんにちは/真心ブラザーズ
M06 わたしはベイべー/矢野顕子×のん
M07 タイマーズのテーマ~偽善者/宮藤官九郎
M08 原発賛成音頭/増子直純怒髪天
M09 デイ・ドリーム・ビリーバー/Leyona
M10 あこがれの北朝鮮~LONG TIME A GO/TOSHI-LOWBRAHMAN/OAU)
M11 タイマーズのテーマ /TOSHI-LOWBRAHMAN/OAU) / 宮藤官九郎 /
増子直純怒髪天) / Leyona
M12 よォーこそ~お墓/仲井戸麗市
M13 ロックン・ロール・ショー/Char
M14 上を向いて歩こう夏木マリ
M15 いい事ばかりはありゃしない/村越弘明
M16 君が僕を知ってる/宮本浩次
M17 スローバラード/佐藤タイジシアターブルック
M18 ドカドカうるさいR&Rバンド/斉藤和義
M19 ROCK ME BABY/鮎川誠(シーナ&ロケッツ
M20 愛と平和/山崎まさよし
M21 恩赦/金子マリ
M22 雑踏/BEGIN
M23 ボスのSOUL/三宅伸治
M24 毎日がブランニューデイ/仲井戸麗市
M25 JUMP/金子マリ / 斉藤和義 / TOSHI-LOWBRAHMAN/OAU)
/ BEGIN / 山崎まさよし / 三宅伸治 / 仲井戸麗市 / 木村拓哉=シークレット・ゲスト
Encore
EC1 雨あがりの夜空に/全員
EC2 多摩蘭坂梅津和時×仲井戸麗市×三宅伸治
Dinamic Live
M01 ヒッピーに捧ぐ/忌野清志郎
M02毎日がブランニューデイ/忌野清志郎

 

 

 

ひと知れず されど誇らかに書け

書かなきゃ忘れるってことに気がついた。
いや、書いているそばから忘れていく。
加齢?
しかも、性質の悪いことに、他人が書いた文章を読んでも、その時感じた、そう、あの感じ(どの感じ?)が自分の中で高まってこない。

ブログはもう書かないつもりだった。
備忘録のつもりだったのに、だんだん自分の承認欲求の方が勝ってきてしまい、なんだかもう誰のために書いているのか、当初の予定が何であったのかがわからなくなってしまった。
それって、実に情けない。

しかし、モノを書くことに関してはやぶさかではない。
何かあるたびに手帳にちまちまと書いていたが、思考と筆記速度が折り合わなくなってきた。
結局こうしてパソコンにむかってモノを「書く」ことになっていく。

ということで、何度目かのブログ再開だ。
ブログの名前は散々迷った挙句、馴染みのあるものとした。この題名で見つけてくれた方、ご無沙汰です。
そして今日のタイトル「ひと知れず されど誇らかに書け」

私の今現在のテーマである。

今回のブログは何について書くか、完全に未定ということで始めたいと思う。
おそらく読んだ本、行ったライブ、観たDVDについてなど、書きたい欲が高まった時に書くことになる。
なので、以前のように、観ました、はい、即ブログUP!ということはしないつもり。
あくまでも備忘録、そして私が読みたいものを書く、というスタンスで。
実際に目にしたもの、耳にしたものしか書かない。
そしてあくまでも私自身の正直な感想を書く。
この2点を大事にしていこうと思う。

ということで、もしこのブログを読んでくれる奇特な方がいらっしゃいましたら生暖かい目で見守ってください。当方、打たれ弱いので。

 

さて、本日の眼福。佐内さんのお写真だったのだな。私はお似合いだと思うぞ、このスタイル。

@sanaimasafumi on Instagram: “ROCKIN’ON JAPAN 8/30発売 宮本浩次特集 ぶつかって発光体、宮本から光へ @miyamoto_sampochu #宮本浩次”