アイツと、読書と、音楽と

ひと知れず されど誇らかに書け

読書

「春風亭一之輔のおもしろ落語入門」

春風亭一之輔のおもしろ落語入門 作者:春風亭 一之輔 小学館 Amazon 始まりは神田伯山の伯山ティービィーから。 松之丞が六代目神田伯山になった日【全30回】 - YouTube 松之丞時代からラジオを聴いていて、一度独演会にも行きました。講談に興味を持つとは…

「シャイロックの子供たち」映画、そして原作本

自分の作品が映画化される時には、全く関わらないという作家の方も多いと聞きます。自分の手から離れたら、それはもう別の作品だと。しかし、今回の映画、特に主人公について「池井戸先生が“こういう西木もあるんじゃないか”と意見をされたみたいで、自分に…

映画「エゴイスト」、そして原作本を読んで

映画館で予告を観た時から、絶対観ようと決めていた。その時点では、純粋で単純な同性愛の恋愛映画だと思っていた。しかし、心に引っかかったのが、ほぼメイクなしの阿川佐和子の姿だった。鈴木亮平と宮沢氷魚、長身の二人に挟まれ、小柄な阿川佐和子の存在…

「取り扱い注意」佐藤正午

ジグソーパズルのようである。 まず四隅を見つける。その周辺を固めていく。じわじわと内側へ。四苦八苦の後に、突然バタバタと隙間にパズルがはまっていく。その爽快感! 佐藤正午は、作家が好む作家だと聞く。私の記憶が確かなら、宮部みゆきや伊坂幸太郎…

「シーソーモンスター」伊坂幸太郎

文芸誌「小説BOC』の創刊にあたり、8組の作家によって紡がれた「螺旋プロジェクト」の一作。 というのは、読後知った情報。このことを知らず単体で読んでも面白さは保証する。 伊坂幸太郎が描くのは昭和後期、いわゆるバブル期、そして近未来の二作。一見繋…

「氷の海のガレオン/オルタ」木地雅映子

あの頃の私に読ませてあげたかった。 自分に似た生きにくい子供が出てくる作品と出会うと、そんな風に思っていた。しかし、果たして当事者であった頃の自分は、客観的に本を読むことで自分を宥めることが出来ただろうか。 もしかしたら今なのかもしれない。…

「もう死んでいる十二人の女たちと」パク・ソルメ

平坦な道を歩いているつもりが、いつの間にか逸れ、思わぬところで躓く。歩くリズムが狂い始め、見知らぬ路地へと迷い込んでしまう。パク・ソルメの短編集は、奇妙なリズムを刻む。始まりの「そのとき俺が何て言ったか」で起きる唐突な暴力。「海満」という…

2023年1月購入本

月末に近所の大型書店ではポイント3倍DAYを実施する。それに合わせて予約しておいたり、長い時間彷徨いて本を購入することにしている。 今回のポイントDAYに購入したのは以下の3冊。婦人公論は、今月いくつかの雑誌に掲載された宮本浩次インタビューの中で…

2019年の読書まとめ。ベスト本10作品はこちら。

今年も残すところあと1週間。今年のベスト本10冊を選んでみました。今年読んだ(というか読み切った。途中で断念したものは除いております)本は111冊。例年並みといったところでしょうか。来年は、いよいよ息子も受験生ですので、ライブ同様、購入す…

読書記録 2019年89〜91冊目

杏の気分ほろほろ (朝日文庫) 作者: 杏 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2019/01/04 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る あっという間にお子さん3人、たくましい母となった杏ちゃん。 旦那さんとの出会いから結婚までの時期と重なっているの…

読書記録 2019年86〜88冊目

カゲロボ 作者: 木皿泉 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/03/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る その人にしか書けない物語というものがある。木皿泉の書く物語が、まさにそれ。一つ一つの物語に、様々な形でロボットが登場する。この非現…

読書記録 2019年83〜85冊目

夏への扉 (ハヤカワ文庫SF) 作者: ロバート・A.ハインライン,Robert A. Heinlein,福島正実 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2010/01/30 メディア: 文庫 購入: 44人 クリック: 160回 この商品を含むブログ (99件) を見る 一言で言ってしまえば時間旅行モノ…

横山秀夫「ノースライト」

ノースライト 作者: 横山秀夫 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/02/22 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 「警察小説ではない」横山秀夫との対峙。一文一文に横山氏の全力が感じられる。それが読む側の重圧にならないのは、ひとえに横山氏の…