アイツと、読書と、音楽と

ひと知れず されど誇らかに書け

「シーソーモンスター」伊坂幸太郎

文芸誌「小説BOC』の創刊にあたり、8組の作家によって紡がれた「螺旋プロジェクト」の一作。

 

というのは、読後知った情報。このことを知らず単体で読んでも面白さは保証する。

伊坂幸太郎が描くのは昭和後期、いわゆるバブル期、そして近未来の二作。一見繋がりが薄いようでいて、そこは伊坂作品らしく、綺麗に重要箇所で繋がっていく。

ひとつはすでに私達が経験した時代、もうひとつはもしかして似たようなことを経験しそうな時代。どちらがいいのか、何が悪いのか、何が悪かったのか。提示される問題は山積みだ。

相変わらず伊坂作品には強い女性が登場する。私はこの女性たちに会いたくて伊坂作品を読む。そして我が街仙台を舞台風景として頭の中で描くことができるのも嬉しい。

 

螺旋シリーズは、あるルールの元で繋がっているらしい。澤田瞳子吉田篤弘も参加しているこのプロジェクト、今さらながら、俄然興味がわいてきた。

 

近未来に出てくる中尊寺さん、私は森山未來であて読みしたが、さてどうだろう?我ながらいい線いってると思う。