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岡村靖幸、4年ぶりのアルバム「操」が凄かった

音楽評論家のご意見を伺いたいと思っていた、ずっと。音楽誌で特集が組まれることを渇望していた。そういう場での高い評価を欲していた。

 

岡村靖幸が4月1日に、約4年ぶりとなるアルバム「操」を発売した。私は発売からだいぶ遅れてこのアルバムを聴いた。遅まきながら猛烈に驚いた。聴いた瞬間から誰の評価も聞く必要がないし、もし評価を目にしたところで私の気持ちは変わらないと思えた。それはまるで、アルバム「家庭教師」を初めて聴いた時に感じたような、もはや自分自身の確信以外何も必要としない至福の瞬間だった。

 

岡村にしては珍しく、アルバム発売直前にMステに出演、関ジャムで特集を組まれるという、プロモーション時期に精力的に動くことができた最高の状態での発売。おまけにタワレコの例のポスターにも起用(個人的には、これが一番嬉しかった)。

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この時点で気づくべきだったかもしれない。今度のアルバム、凄いことになっているぞ、と。話は若干戻るが、関ジャムの岡村靖幸特集、あれは秀逸だった。岡村靖幸の魅力、特性、ありとあらゆる部分を詰めに詰め込んでくれ、ラストに関ジャニと一緒に「愛はおしゃれじゃない」を歌うという、ジャニーズと岡村靖幸楽曲との絶対的な相性の良さがとてもはっきりとあらわれた最高のセッションだった。特に丸山くんの頑張りに猛烈に拍手を送りたい。

今回のアルバム「操」は、そんな関ジャムで味わえた「楽しく明るい」岡村靖幸を強く感じるアルバムだ。とにかく岡村が楽しそう。岡村靖幸の楽曲作成といえば、七転八倒、四苦八苦という苦悩の末に、最高の音をお届けいただいてきた印象が強い。いや、今回だって我々には見せることのない苦労が山ほどあるのだろうけれど、何かそういうものを越えた身の軽さ、もしくは精神的な軽さを強く感じる。全体的に口角が上がっている感じ。だから聴いていて、ことのほか楽しい。また、このアルバムをライブで歌う姿が非常に浮かびやすい。

関ジャム効果もあり、アルバムは売れているようだ。配信はまだなので、これが配信開始となれば、改めてまた売れるであろう。このアルバムから岡村靖幸に触れる人は多いと思う。ファースト岡村として、非常に相応しく、決して入門編ではないのに入りやすいアルバムだと思う。

いや、凄いアルバムを作ったな、と驚きまくっている。30年以上リアルタイムで聴いてきて、まだ驚かせてくれるミュージシャンであることに感謝している。

 

毎日、異常な緊張感で日々を過ごしている。こんな時期にこのアルバムが発売されたのは、私にとって一筋の希望の光だ。宮本浩次の「宮本、独歩。」そして岡村靖幸の「操」、この二枚のアルバムにいかに救われていることか。

だからこそ、このアルバムタイトルツアー、なんとしてでも行きたい。その日が来ることを信じて、アルバムを聴いて今は頑張るしかない。

 

操

  • アーティスト:岡村靖幸
  • 発売日: 2020/04/01
  • メディア: CD
 

 

宮本、独歩。(通常盤)

宮本、独歩。(通常盤)

  • アーティスト:宮本浩次
  • 発売日: 2020/03/04
  • メディア: CD